ヒートショックの原因とは?血行などの予防法も解説
ヒートショック
難病指定医

監修医師プロフィール

難病指定医 キレーション認定医 女医によるファミリークリニック院長
大井美恵子 医師
金沢医科大学医学部医学科卒。広島市民病院などを経て、女医によるファミリークリニックを開業。狭心症や冠動脈疾患、心筋梗塞などの疾患改善を目指すキレーション認定医。
ヒートショックは何が原因で起こるのでしょうか。また、ヒートショックを予防する方法などについてもまとめてみました。体が冷えやすい方や高齢者の方など、特に寒暖差が激しい時期に参考にしてください。
ヒートショックとは?

ヒートショックとは急激な温度変化によって引き起こされる反応で、血圧が大きく変動し時には不整脈・心筋梗塞・脳卒中などの原因になる、命に関わる健康障害です。特に寒い環境から暖かい環境からの移動により引き起こされ易く、血行が大きな原因となります。ヒートショックと血行の関係について説明していきます。
ヒートショックの原因と血行との関係
ヒートショックの原因は、血圧の上下により心筋梗塞や不整脈・脳出血・脳梗塞などの発作を引き起こす事とされています。
暖かい場所から寒い場所へ移動すると、体の熱を保とうと全身の血管を収縮させ血圧を上昇させます。逆に寒い場所から暖かい場所へ移動すると、体の熱を放出させようと血管が広げり血圧も下がります。自宅では暖房の効いた部屋から廊下やトイレへの移動時、暖かいお風呂場から寒い脱衣所でヒートショックが頻発しているので注意が必要です。
ヒートショックになりやすい人
●65歳以上の高齢者である方
●高血圧、糖尿病、動脈硬化などの持病がある方
●肥満、不整脈がある方
●浴室や脱衣所に暖房設備がない方
●40℃以上の熱いお風呂が好きな方
●飲酒後にお風呂に入る方
●長湯が好きな方
ヒートショックは65歳以上の高齢者や高血圧・糖尿病などの基礎疾患がある方、肥満・不整脈・無呼吸症候群などの人が影響を受けやすいとされています。また、冬場に40℃以上の熱いお風呂が好きな方、飲酒後にお風呂に入る方、長湯が好きな方も影響が受けやすいため注意が必要です。
ヒートショックになると起こる症状と対処法

ヒートショックは軽度の症状から、心筋梗塞・脳梗塞など健康被害を引き起こす可能性がある重度の症状まで広くあります。自分が気づかない内にヒートショックを起こしている場合もあるので、症状と対処法を確認しておきましょう。
軽度の症状
軽度の症状として【めまい】【立ちくらみ】などが挙げられ、寒い環境から暖かい環境に移動した際に起こりやすいです。
■軽度の対処法として
その場でゆっくりしゃがむ、横になるなど体を落ち着かせて血圧が下がるのを待ちましょう。無理に動かず助けが必要な場合は近くの方を呼びましょう。落ち着き始めるとゆっくり深呼吸し、少しづつ水分を取ってリラックスしてください。
重度の症状
重度の症状では、【呼吸困難】【嘔吐】【失神】などが挙げられます。また【心筋梗塞】【脳梗塞】を引き起こす場合があります。
■重度の対処法として
激しい胸の痛みや頭痛、吐き気など疑わしい場合はすぐに助けを呼びましょう。家族がいる場合は浴室の呼び出しボタンを押すなど、大きな音を出してください。1人暮らしでヒートショックの不安がある方は浴室に携帯電話を持ち込むなど、手の届くところに連絡手段を置いておくと安心です。
ヒートショックの予防方法
ヒートショックは寒暖差で起きやすいため、体温を急激に上下させないことが重要となります。特に冬は家の温度差もなるべく無くして負担がかからないようにしましょう。
入浴前に浴室を温める
浴室は寒く、暖かい部屋からの移動で冬は特にヒートショックになりやすくなります。浴室暖房がない場合は蓋を外して湯を混ぜることで蒸気が上がり、浴室内の温度が上昇します。また、一度に肩まで浸からず心臓から遠い手や足から掛け湯することで心臓への負担も軽くなりヒートショックの予防になります。
食後・飲酒後の入浴は避ける
食後や飲酒後は血圧が下がり、その後に入浴で血圧を上げることはヒートショックが起きやすくなります。食後時間をあけての入浴や飲酒は入浴後に行うことでヒートショックを予防できます。
高温・長湯は避ける
特に冬場の40℃以上の入浴は心臓への負担が大きく、長湯も同様のことから避けること。入浴前後にお水を飲むことで血管内の血栓を防ぎ脳梗塞や心筋梗塞の予防にもなります。また入浴から出る際も勢いをつけずにゆっくりと上がりましょう。
高血圧への対策もヒートショック予防

血圧の上下が原因のため、高血圧になりにくい身体作りも大切です。血圧改善に効果的な運動やストレッチ、器具などを取り入れることでヒートショックの予防にも繋がります。ただし、現在高血圧の診断を受けている場合、運動などは医師に相談をしてから行うようにしてください。
ウォーキングとスクワット
有酸素運動であるウォーキングは血管が拡張し、血行が良くなるため血圧が下がります。スクワットは下半身を大きく使うため心臓のポンプ力を強くし、疲れにくい体にする効果が期待できます。ただし、足が悪くしゃがめない方は無理のない程度のウォーキングを心かげてください。
ストレッチ
運動習慣があまりない方はストレッチから始めましょう。ストレッチは筋肉や関節を伸ばす運動ですが、その際に血管も一緒に伸びることから血行が改善されます。特にラジオ体操はストレッチ要素がある運動ですので、毎朝呼吸を止めずにゆっくり動く運動に最適です。
ボディメンテナンスウェアを利用する
血行の改善をしたいけど、運動習慣が全くない又は足や腰が悪く運動ができない方は、ボディメンテナンスウェアの着用もお薦めです。ボディメンテナンスウェアには遠赤外線を放射する素材が使用されていて、着るだけで血行を促進し、疲労を回復したり、筋肉のコリを緩和させたりするのを助ける効果が期待できます。着るだけで日々の健康をサポートしてくれるという点が大きな特徴で、手間や時間がかからない手軽さがあります。
ヒートショックは血圧の急激な上下が原因|日常生活から予防しよう
高齢で高血圧や糖尿病など持病がある方は特になりやすいヒートショック、持病が無くても食後や飲酒後の入浴はヒートショックになる可能性があります。家庭での入浴時に気をつけることでヒートショックの予防に繋がります。
また、高血圧になりづらい体にするためにウォーキングやストレッチなどの運動や足腰への不安や運動習慣が全くない方はボディメンテナンスウェアなどのサポートアイテムを活用して対策しましょう。
監修医師プロフィール

難病指定医 キレーション認定医 女医によるファミリークリニック院長
大井美恵子 医師
金沢医科大学医学部医学科卒。広島市民病院などを経て、女医によるファミリークリニックを開業。狭心症や冠動脈疾患、心筋梗塞などの疾患改善を目指すキレーション認定医。